“教えられる人”から“教える人”へ
InnoRules V8の導入支援を担うパートナー企業の皆さまを対象に、10/29から11/26にかけて2日間の「ハンズオン講師向けトレーニング」を開催(全て無償)しました。「InnoRulesをもっと深く理解し、自社の教育サービスを強化したい」パートナーの皆様に参加いただきました。
今回は、エンドユーザーへ直接ハンズオン教育を実施できる“講師スキル”の習得を目的とした、より実践的で深い内容です。製品操作だけでなく、指導のポイントやよくある質問への回答、そしてルール分析・設計の理論まで盛りだくさんです。
InnoRulesを“教える”ために必要な知識とノウハウを、すべて持ち帰っていただくことを目指しました。
このトレーニングで得られる3つの成果
- 業務仕様に合った適切なルールテンプレート選定とルール作成スキル
- 実際のユーザー教育で出てくるQAに対する確かな回答力
- 自社でユーザー向けハンズオンを実施できる講師スキル

さらに、配布したテキストは編集可能なPowerPoint形式です。パートナー企業ご自身の教育サービスとして自由に活用・再構成してご活用いただけます。
実施概要
1日目:無償ハンズオンコースを教材に、基本操作と“伝え方”を習得
初日(午後14-18時)は、弊社プリセールスで実施している無償ハンズオンをベースに、Rule Builderの基本操作とInnoRulesのコンセプトを体験していただきました。題材は「人事評価をもとにインセンティブを算出する」シンプルなシナリオです。この中に、InnoRulesの特長がしっかりと詰まっています。
体験した主なポイント
- ルールを部品として組み立てる開発方式
― 再利用性が高く、全体像を分かりやすく構成できる。 - 12種類のルールテンプレート
― Version 8で追加されたカラムコンディション/マトリックスコンディションも解説・実習 - 実行トレースによる可視化
― ルールがどのように動いたか“見える”ため説明しやすい。 - 仕様変更に強いブランチルール
― 部署別ロジックなど変更要素を局所化し、保守性を高める仕組み。
“教える立場”として知ってほしいポイントも共有
- 業務規則(ドキュメント)とルール(実装)の違いの説明方法
- トレース機能をどう見せると理解が進むか
- ブランチルールの価値をロジカルに伝えるコツ
- 顧客教育時に出やすいQAへの回答(矛盾チェック、移管・承認、Hot Deployなど)
他社BRMSとの違いを明確に説明するための観点も、講師視点で整理してお伝えしました。
2日目:有償ハンズオンコース+理論研修で“応用力”を習得
2日目は、導入が決定した顧客向けの有償ハンズオンをベースに、より高度な内容へ踏み込みます。複雑な業務仕様のルール化と、保守性を高める設計理論を深掘りしました。
午前:複雑なルール開発を実習
テーマは「顧客が加入した商品の元利金合計を算出する」という、実務に近いシナリオです。ディシジョンテーブル、テーブルルール、ブランチ、DBルール、ループルールなど複数のテンプレートを連動させながら、ルール開発の全体像を体験いただきました。
特に好評だったのはループルールによる多重値処理。DBルールで取得した複数データに対し、繰り返し計算を実行する仕組みです。そしてブランチルールによるルールのコンポーネント化促進です。「InnoRulesの柔軟性が一番よく分かる」との声も多くありました。
午後:実践ルール開発ガイドによる理論研修
午後は、性能と保守性を意識したルール設計の“考え方”を体系的に学ぶ時間です。
研修で扱った主なテーマ
- ルール要件定義〜保守までの開発プロセス
- 柔軟性要素(変化要素)の特定とルール分解の基準
- ルールの正規化とコンポーネント化
- テンプレート選定(テーブル vs. ディシジョンテーブル)
- 結果キャッシュを活かした性能設計
- テンプレートごとの実装の注意点
- ルール開発における標準化指針のたてかた
実装しながらキャッシュの挙動を確認する演習では、多くの方が「性能を考慮したルール化のイメージがつかめた」と手応えを感じられていました。
まとめ:講師として“教えられる力”が確実に身につく2日間
今回のトレーニングでは、InnoRules V8の基本操作から高度なテンプレート、そして保守性・再利用性を最大化するための設計理論まで、講師として必要な知識と実践力を総合的に習得していただきました。
配布テキストは自由にカスタマイズできるため、パートナー各社の教育サービスやトレーニング事業の強化に直結します。
InnoRulesを“料理”に例えるなら
- テンプレート:レシピ
- 開発・設計ノウハウ:調理技術
- 業務要件:食材
- 完成した業務ルール:料理
今回のトレーニングで身についたのは、どんな食材にも対応できる“一流シェフ”のスキルです。
エンドユーザーの多様な業務要件に対し、高品質でメンテナンスしやすいルールを、素早く提供できるようになります。
2日間にわたり受講いただいたパートナーの皆様、本当にお疲れ様でした。