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InnoRulesによるSAP(ERP)連携事例

​SAPとBRMSであるInnoRulesとの連携が効果的なケースを紹介します ​
2024年12月9日 by
InnoRulesによるSAP(ERP)連携事例
innorules, イノルールズ株式会社
はじめに

​​昨今のビジネス環境において、ERPシステムの重要性は増す一方です。特に、SAPに代表される大規模ERPソリューションは、企業の基幹システムとして広く採用されています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に伴い、システムの柔軟性と拡張性がこれまで以上に重要視されており、急速に変化するビジネス要件や新しい規制への対応には、より柔軟な解決策が必要とされています。当ブログ記事では、SAPとBRMSであるInnoRulesとの連携が効果的なケースを紹介します。


「BRMS」というキーワードに馴染みの無い方は、こちらの ブログ記事 に解説がありますので参照してください。


ERPシステムの課題と解決策

ERPシステムは、企業の基幹業務を効率的に管理・運用するために不可欠なツールですが、以下のような課題が指摘されています:

  • カスタマイズの複雑さと高コスト
  • 業務ルール変更への迅速な対応の難しさ
  • 新規制や法改正への柔軟な適応

これらの課題に対して、BRMSであるInnoRulesとの連携が効果的な解決策となります。


InnoRulesとSAPの連携による価値創造

SAPなどのERPソリューションによる業務システムの構築において、ERPに備わる標準機能だけでは対応が難しい追加機能をInnoRulesで補完することで、新しい規制対応など高度な機能を柔軟に実現できます。この連携により、以下のような価値が創出されます:

  • 業務ルールの可視化と標準化
  • システム変更における開発工数の削減
  • ビジネスユーザーによるルール管理の実現
  • コンプライアンス対応の強化


技術的な連携方式の詳細

InnoRulesとSAP(ERP)の連携は、以下の3つの方式で実現可能です:


1. ABAPからAPI経由でのInnoRules呼出

この方式では、SAPのABAPプログラムから直接InnoRulesのルールエンジンを呼び出します:

  • SAP(RFC) → SAP RFC Server → Rule API → Rule engine呼出
  • ERPシステムからルールエンジンを直接呼び出す方式
  • リアルタイム処理に適しており、即時の判断が必要な業務に効果的
2. CallBackRuleによるABAPモジュール参照

ルールの実行中にSAPの機能を利用する必要がある場合に適した方式です:

  • CallBack Rule → SAP RFC Client または JCO(SAP Java Connector) 呼出
  • ルールエンジンからERPの機能を呼び出す方式
  • 複雑な業務ロジックの実装に適している
3. DB Access RuleによるSAP業務DB参照

大量データの参照や更新が必要な場合に効果的な方式です:

  • DB Access Rule → SAP DBにJDBCを通じて SQL実行
  • データベースレベルでの直接連携方式
  • バッチ処理や大量データ処理に適している

※RFC(Remote Function Call):SAPシステムの標準リモート呼び出しプロトコル


セキュリティと性能の考慮事項

システム連携においては、以下の点に特に注意を払う必要があります:

  • 通信の暗号化と認証管理
  • パフォーマンスチューニング
  • エラーハンドリングの実装
  • 監査ログの取得と管理


導入効果

InnoRulesとSAPの連携により、以下のような効果が期待できます:

  • ERPとBRMSの特性を活かした最適な業務分担
  • 業務ロジックの柔軟な変更対応が可能
  • 保守性の向上とコスト削減
  • 迅速な規制対応や業務変更への対応
  • 業務ルールの一元管理による整合性の確保
  • システム運用コストの最適化


実績のある適用事例
グローバル企業での導入実績

INNORULESには様々な業界で、SAP(ERP)連携の導入実績があり、特に以下の事例が代表的です:

  • サムスングループの統合ERPにおける国際会計基準IFRS対応
    • グローバル会計基準への準拠
    • 複雑な連結決算ルールの実装
  • DBグループの営業/マーケティング奨励金業務
    • 柔軟な報奨金計算ルールの実装
    • 営業実績データとの連携
  • 教育サービス企業での給与/インセンティブ計算システム
    • 複雑な手当計算ロジックの実装
    • 勤務実績との連携

想定適用業務領域

ERPパッケージや基幹システムとの連携については、以下のような業務領域での活用が効果的です:

  • 頻繁な制度改定が発生する業務領域
    • 税制改正への対応
    • 社内規定の変更管理
  • 複雑な計算ロジックを含む業務処理
    • 報酬計算システム
    • 価格設定システム
  • ERPパッケージの標準機能では対応が難しい拡張業務
    • 業界特有の業務要件
    • カスタマイズが必要な処理
  • 柔軟な業務ルール変更が求められる領域
    • キャンペーン管理
    • 与信管理


システム連携時の考慮事項

システム連携のプロジェクト​については、以下の点について十分な検討が必要です:

  • 既存システムへの影響度評価
  • 必要なインフラストラクチャーの検討
  • 運用保守体制の構築と、ユーザートレーニングの実施
  • 障害時の責任分界点の整備


まとめ

InnoRulesとSAPの連携により、ERPの堅牢性とルールエンジンの柔軟性を組み合わせた、より効果的な業務システムの構築が可能となります。

今後のビジネス環境の変化に対応するためには、システムの柔軟性と拡張性が重要な要素となります。InnoRulesとSAPの連携は、そのような要求に応える効果的なソリューションであると言えます。本ブログ記事に興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください!

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